2020年6月22日月曜日

戦時中に「鉄滓(とくそ)」を集めていたという鉄不足事情


 邑南町の随所に、かつての鉄穴流しタタラ製鉄跡があります。
 少し山に入れば写真のように、鉄滓(とくそ)がゴロゴロしています。つまり、製鉄時に出てくるカスです。 

 タタラ製鉄の歴史は古代まで遡りますが、この地で盛んに行われたのは戦国時代から江戸時代、明治時代にかけて。
 写真のものは、鉄穴流しのすぐ隣にあるのですが、このように現場ですぐたたら製鉄を行い、鍛冶屋がその場で道具などを作っていたところもあります。 

 この寒村の農家にとっては、重要な副収入になるものでしたが、明治中期には廃れていきました。

とくそ

  ところが、第一、第二次世界大戦時には鉄不足によりタタラ製鉄が復活。 軍刀などが作られるようになります。 
 さらには、とくそには鉄分がまだ多く残っているので、これをも掘り出して利用しようとしていたといいます。 

 まあ、そんなことしていれば「こんなんじゃ、戦争に負けるよね」と皆思う訳です。

 >> 戦時中に復活した「タタラ製鉄」の話(島根県邑南町)